祝・世界遺産登録 7月12日記事

紆余曲折の末、7月8日に世界遺産として登録された
釜石市の橋野高炉跡に立ち寄りました。
道中、狭くて急な峠道の県道を抜け、
さらに、復興工事のダンプカーが行き交いヒヤヒヤしながら
かなり山奥に入ったところにその遺構はありました。

一度目、高炉跡の遺構らしきものを見ての印象、
「これが、世界遺産?」
並んでいる石と積まれている石があるだけです。



百数十年前、江戸末期からの遺構なのですが、
石積みや水路跡の溝以外に残っているものがほとんどなく、
恥ずかしながら遺産の価値を全く理解できないでいるのです。

古代遺跡のような石積みを一周し、
最も奥にある高炉跡に向かいます。
そこで現地ガイドさんを見かけます。



ガイドの三浦さんです。
歴史的背景から構成する遺構それぞれの役割、
当時の銑鉄の様子などを丁寧に説明してくれます。

遺構の主要部分をひと回り案内いただいたことから、
小一時間ガイドさんを独り占めしてしまいます。
後からの来訪者に申し訳なく思いつつ、
わたし「今後、もっと多くの来訪者があれば、
ガイドさんの手も回らなくなるでしょうね。」と語りかけると、
やはり、地元のボランティアガイドが絶対的な不足であり、
ひとつは、震災の語り部としてのガイドの活動があること、
また、遺産や製鉄の知識を持ったガイドが少ないのだそうです。
ゴールデンウィーク期間中は、
多数の観光客の対応や駐車場での車の整理に追われ、
遺産の紹介がほとんどできなかったと聞きます。

このあと、釜石市中心部に近い「鉄の歴史館」を訪問し、
当時の高炉での製鉄の仕組みを知り、
遺跡の復元ジオラマを見ることで、
さらに遺産の価値・貴重さが理解できたこともあり、
橋野を訪れる際は、歴史館にも足を運ぶことをお勧めします。

この橋野は山奥であり、人を呼び込むべきかどうかも含め、
呼び込むのであれば、どうルートづけるか。
震災と関連付けられるか。課題だらけだと感じます。



7月7日、登録が決定された直後の二度目の訪問でも、
初夏の陽気の中、橋野には静かに時が流れていました。

三浦さん、ありがとうございました。

釜石編 〜完〜
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