22.震災遺構〜その2 3月11日記事

旧大槌町役場庁舎。
ここでは、当時の町長をはじめ、
約40人の町職員が津波の犠牲になっています。



この旧庁舎の保存をめぐっては、
前町長が一部保存方針を示していたのですが、
昨年8月の町長選で、
旧庁舎の取り壊しを主張した現職が当選し、
年度末までの取り壊しが行われる予定でした。

しかし、地元高校生らが、
「将来の教訓として、遺構を残してほしい」
と保存を町に要望し、
町議会も取り壊しの延期を求めるなど、
マチ全体が揺れている様子がうかがえます。


震災前の大槌町の模型

さて、2月下旬、大槌町のNPOの紹介で、
「震災の語り部」さんらと交流をしました。

語り部のひとりである赤崎さんは、
「職員の遺族には、5年たった今でも
旧庁舎を見ることすらできない人もいる。
遺族感情に配慮し、取り壊すべき。」と語ります。


仮設住宅に住む赤崎さん夫婦

その一方で、語り部の岩間さんは、
「高校生たちが、町に保存を要望している。
町の将来は、子どもたちに託すべき。」と語ります。


大槌の未来を熱心に語る岩間さん

偶然ではありましたが、語り部2人の意見は、
まさに町の苦悩を反映していました。
そんな中、水産加工業の六串さんは、
「それよりも優先すべきことがたくさんある。
わたしたちの生活再建が第一。」と言います。

いつかまた、この大槌の地に立った時、
どんな姿になっているのだろうか、
近い未来に思いを馳せるとともに、
大槌の人々の幸せを祈っているのでした。

今日は震災からちょうど5年

大槌編(後編2) 
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