20.津波にどう抗うか〜その2 2月24日記事

「大震災の津波より低い防潮水門なのですか」

昨年の夏に、奇跡の一歩松に近い、
陸前高田市を流れる気仙川河口に建設が予定されている
防潮水門の建設現場を見学したときのことです。



東日本大震災時、陸前高田市には、
15メートル以上の津波が襲っており、
震災後は、約2キロに及ぶ海岸の防潮堤とこの防潮水門を
高さ12.5メートルで整備する計画であるという説明を、
県の担当者から聞いている時に、質問をしたものです。



防潮堤などを整備する際の国の高さの基準は、
「数十年から百年に一度程度発生する津波の高さ」
プラス1メートル程度であり、
昭和三陸地震や明治三陸地震の津波やチリ津波を基準に、
「千年に一度」規模の東日本大震災の津波を参考にして
各地の防潮堤などの高さが決められたのです。





沿岸各地では、この高さが「低すぎる」や「高すぎる」など
議論が様々なものとなっています。

冒頭の質問は、
「万全な防潮堤を作れば安全になる。」という発想でしたが、
高くすれば、@建設費や維持補修費が莫大になること。
A津波発生時、海への視界が遮られかえって危険であること。
B日常の景観が良くないこと。が弊害となるのです。
そして、何よりも田老の事例から、
「完璧に自然に立ち向かうことはできない。」ことを学び、
「逃げるための時間稼ぎ」となる防潮堤であることに
このころから気づきはじめたのでした。

陸前高田編 完
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