16.一抹の不安 12月8日記事

先日、マツタケを手にした時、ふとある地図を思い出し、
漠然とした不安に一瞬食べることを躊躇したものでした。



東日本大震災といえば、津波による人的・物的被害が
もっとも大きな被害と言えそうですが、
もうひとつ忘れてはならないのが、福島第一原発の事故です。

福島県沿岸部の帰還困難区域では、
バリケードに囲まれたゴーストタウンが続き、
幹線道路沿いに線量計が設置、
比較的高めの空間放射線量が表示され、
沿道には警官と警備員が配備され、
車を停車することも許されないなど、
「ここは汚染された区域である。」ことを明確に示しています。



盛岡市は第一原発から200キロメートル以上離れていることや、
震災から4年という時間経過による
放射性物質の自然崩壊(壊変)と環境への拡散による線量の低減で、
今の岩手県においては、放射性物質による汚染の被害は、
ほとんど関係のない話と思っていましたが、
岩手県の公式サイトから次の情報を見つけて目を丸くするのです。

引用:「野生きのこ放射性物質濃度検査マップ(平成27年10月5日現在)」
     岩手県総務部総務室発表 広報資料 gifファイル 110KB

この地図は、県が公表したもので、
野生きのこの放射線量とその出荷規制状況を示したものです。
県の南側の地域で、平成24年度の検査値に基づき、
国が出荷制限を実施しているものです。

このほか県内では、川魚、山菜など一部品目、一部地域で
出荷規制や出荷自粛要請が続いているのです。

初夏、県南の直売所で
原木シイタケが普段見る3分の1程度の値段で売られており、
迷わず買って食べました。
後で知ったのですが、
出荷規制が一部解除された直後だったのです。

沿岸宮古市のある水産加工会社では、
加工製品に含まれる放射性物質の検査を行い、
安全な製品であることを確認してから
流通させているとのことでした。
必要以上に放射性物質を恐れる必要はありませんが、
ホットスポットの問題など、
「見えない」ことはとても不安です。
こうした企業の「見せる」姿勢は、
わたしたちの漠然とした不安を払拭してくれることでしょう。

全県編 完
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