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プロローグ 4月26日記事 夕闇が迫る三陸に満月が昇ります。 荒涼とした平地のはるか先に灯りが見えます。 車のヘッドライトだけが人の気配を感じさせます。 冷たくも春を感じさせる風が頬をかすめます。 ![]() 4月4日、わたしは三陸の大槌(おおつち)に立っていました。 ここは、街の中心、駅裏。・・・だったところ。 残された家々の基礎のコンクリートが、 池のような水たまりを作っています。 渡り鳥の親子が水面を滑ってゆきます。 あと1月も経つと雑草で覆われるのでしょう。 まるで、自然に還るかのよう。 「おまえに何ができる?」どこからか聞こえてきます。 ややしばらく、自分の存在を忘れるほどそこに立ちすくみます。 やや角度を上げた満月は そんな戸惑いと感慨を知ってか知らずか 変わらずにやさしく見守ってくれます。 ![]() 「復興のお手伝いとは、自分のペースでコツコツと仕事をすること」 そう自分に言い聞かせ、気負わない志願兵は、頬をぬぐうと、 エサを求めているお腹の虫をなだめながら、 何事もなかったかのように車に乗り込むのでした。
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